『達人に学ぶDB設計 徹底指南書』感想ブログ
『達人に学ぶDB設計 徹底指南書』という書籍(以下、本書)を読み終えたので、その感想を共有したいと思います。
結論
本書は、データベース設計をしてみたいと考えている初心者の方にとって、非常に価値ある一冊であると感じました。
特に、美しい論理設計を行う方法やトレードオフの重要性、現実の業務でのヒントなど、多くの実践的な知識を身につけることができます。
一部初心者には難しい内容も含まれていますが、データベース設計のスキルアップはもちろん、業務でのトラブルを避けるための知見も得られると感じました。
良かったところ
論理設計の理解が深まる
論理設計に関して深く学ぶことができました。
「論理設計における妥協は基本的には許容しない」という思想で書かれているので、美しい論理設計を目指すための指針になると思います。物理設計の重要性
美しい論理設計を持つだけではなく、物理設計の重要性も強調してくれています。業務で実際にデータベースを運用する際に必ず意識しないといけないことだと感じました。業務での実践ポイント
論理設計のバッドパターンや、バックアップ・リカバリ設計など、実際の業務で注意すべき点が詳しく説明されています。実際の現場でのトラブルを未然に防ぐヒントがたくさん詰まっています。トレードオフの理解
論理設計の美しさとパフォーマンスの向上という、2つの視点からのトレードオフ関係について、具体的なケーススタディを交えて解説されていました。これは、現実の業務で必ず検討しなければいけないポイントだと感じました。
学んだこと
- 3層スキーマモデルやデータ独立性についての基本的な知識
- データベースのパフォーマンスを向上させるためのRAIDやB-tree インデックス
- バックアップやリカバリの設計方針
- データベース設計の基礎となる正規化やER図
- オプティマイザの動作を理解するための統計情報やその収集方法
- 論理設計の一般的なバッドパターンとその対処法
難しかったこと
- 本書では、簡単なSQL文が時折出てきます。わからなくても支障はないですが、SQL文に関する詳しい説明はないので、既に知っている方が理解が深まると感じました。
- かなり理論的にデータベース設計について解説されているので、完全に初心者の方は少し取っつきにくいかもしれません。
- 物理設計についての解説もあるものの、詳細は別のリソースで学ぶ必要がありそうです。
- そして、本書を読んで特に感じたことは、「物事はトレードオフ」であることです。
論理設計の美しさとパフォーマンスのバランスをどのように取るかは、結局はケースバイケースなので、実践しながら学んでいく必要があると感じました。
まとめ
本書は、データベース設計に関する深い知識や技術を学びたい方にはおすすめの一冊です。実際の業務での設計やトラブルシューティングのヒントとして役立つと思いました。